・・・洋装の九人の婦人たちもそれぞれ元気そうにかたまって歩いていて、多忙にくみ立てられたニューヨークでの見学プランがしのばれた。 ニューヨークといえば、われわれのクラブの委員長であった松岡洋子さんはこのごろ水飢饉のニューヨークでどんな毎日を送・・・ 宮本百合子 「この三つのことば」
・・・そしてこの道徳高度武装内容をシューマン外相は、はっきり「経済分野にはマーシャル・プラン、政治・軍事の分野には北大西洋条約、この上に精神生活の基礎を与える」ようにといっている。 独占資本の機構が、時々刻々にひき出す尨大な金貨の山におしあげ・・・ 宮本百合子 「再武装するのはなにか」
・・・相談をする。プランを種々に引いて見る。そして、やっと出来上るから、仮令、一つの石を自分で運んだのではなくても、「我が家」と云う心的の繋が出来るのです。若し、真個に家につながる各々の心、記憶愛と云うものを感じ、尊むとすれば、現代の、多くの人々・・・ 宮本百合子 「書斎を中心にした家」
・・・の文化建設プランの中で、ソヴェト同盟は三十四億七千六百留を、全同盟の国庫負担四ヵ年義務教育実施のために支出している。 社会主義建設の技術家を 男から! 女から! 現在のソヴェト同盟の、どん・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・ アメリカは、金持たちの子供を、個人主義の天才養成法、ダルトン・プランで教育する。が、六百万人の失業者、家族人員にする千六百万人もの大人子供が飢えているアメリカのプロレタリアートは、どこにこんな子供の劇場を持っているだろう。 日本女・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・その一ねじりは作者にとってそれから後をプラン通りに運ぶ便宜上役立ってはいたが、あるがままの現実に面してそれを掘り下げて行こうというには、主題が現実の多難性の前で捩れて、裏がえしとなって、読者の心が求めているものとは背中合わせな本質となってい・・・ 宮本百合子 「生産文学の問題」
・・・雄勁であるからこそほとんど優美であり、堅忍でありえてはじめて湛えられる柔和の情感にみち、彼らの科学のようにリアリスティックであり、彼らの生産プランのようにテーマと様式の統一にたいして本気である、そういう文学が、彼らの偉大な勝利ののちに生みえ・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・そればかりでない、ソユズ・キノは、ごく初歩的な啓蒙のためのフィルムを一年に何本作るかと云うプランを立てている。中には、赤ん坊にどう云う風にして湯をつかわせるか、台所の油虫はどんな薬で退治るかを教える映画や、性病予防の宣伝フィルムなどもあって・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」
・・・俺んところじゃ、また別のプランだぜ。今年は二人とも村へかえるんだ。村が集団農場になって、丁度収穫時だ。ひとつ手伝ってやろうってんだ」「息子どうするんだ? ペーチャも村か?」「いや、ありゃピオニェールの野営だよ」 こうして一家揃っ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の夏休み」
・・・それはどういうことかというと例えば学年のプランが「春」という題を出す。そうすると、春は大人が都会及農村でどういう働きをするか、大人の働きを子供がどういう風に助けて働くかというテーマを出して、実際問題と結び付けて教えて行く。 教育は労働と・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
出典:青空文庫