・・・当時のリベラリストは、ファッシズムというものが、どんなに野蛮兇猛であるかを十分理解せず、リベラリズムの範囲は、リベラリズムそのものだけの力で防衛できるかのように考えた。その結果はどうであったろう。うちつづく戦争と理性殺戮の年々に、日本の文化・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・本年も終りに近づいてから、舟橋聖一などによって、目下のところでは未だ方向の明らかにされていないインテリゲンチアの行動性を煽る「リベラリズム」という立場が主張されて、「ダイヴィング」などという作のでてきていること、支配階級の大衆的文化政策とし・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・舟橋聖一氏が昨今提唱する文学におけるリベラリズムの根源は、そういう反動的憎悪とかつて進歩の旗のにないてであったものへの報復的アナーキーの危険の上にたっているのを見て、私はつよくそのことを考えるのである。 ロシア文学史は、どの時代をとって・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
出典:青空文庫