・・・などと記者の渾名を呼んだりし、そのあげく、二次会だと連中とつるんで今里新地へ車を飛ばした。蝶子も客の手前、粋をきかして笑っていたが、泊って来たりすれば、やはり折檻の手はゆるめなかった。近所では蝶子を鬼婆と蔭口たたいた。女給たちには面白い見も・・・ 織田作之助 「夫婦善哉」
・・・「これから、又、S町で二次会だぞ。」 阿見は、相かわらず、ずるげな、同時にこころよげな笑いを浮べながら、酒くさい息を坑夫達の顔にゲップ/\吹きかけた。 黒島伝治 「土鼠と落盤」
・・・ 酔った上のご冗談でも何でも無く、ほんとうに、それから四、五日経って、まあ、あつかましくも、こんどはお友だちを三人も連れて来て、きょうは病院の忘年会があって、今夜はこれからお宅で二次会をひらきます、奥さん、大いに今から徹夜で飲みましょう・・・ 太宰治 「饗応夫人」
出典:青空文庫