・・・ウズラ豆の日だと女監守は各房へ配給する前、一人ずつの皿からへつって自分のところへくすねて置き、休憩時間のお茶うけにするのだそうであった。香の物は四切れのところを、三切れずつにしてこれも、お茶うけにする。――「そういうことを見せられちゃね・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ ――では、これから休憩二十五分。すぐ芝居にうつるが賛成ですか。 すごい拍手だ。拍手の音が細そりした老年の婦人議長を舞台の方へふきとばした。 日本女のまわりは完全に陽気な祭のさわぎだ。 ――ナターシャ! ナターシャ! 早・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・図書室がある。休憩室がある。此処では四十二カペイキで三皿たべられた。 地下室の炊事場では、薯の皮むきからよごれた皿洗いから、みんな機械だ。白い上っぱりにコック帽の料理人、元気な婦人労働者たち、食事をしに来る勤労者のために玄関わきにひろい・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・ この頃では、モスクワの停留場でさえ、母子休憩室がつくられ、特別母と子のための便利を考えて食堂までついているそうである。托児所、共同食堂、無料産院等はドンドン建設され働く婦人の重荷をとりのぞいている。 この三月十四日に世界プロレタリ・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
出典:青空文庫