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・・・これからが満幅の奇を思うままに発揮した椿岳の真生活であって、軽焼屋や油会所時代は椿岳の先史時代であった。八 浅草生活――大眼鏡から淡島堂の堂守 椿岳の浅草生活は維新後から明治十二、三年頃までであった。この時代が椿岳の最も奇を・・・
内田魯庵
「淡島椿岳」
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・・・研究も、未踏であった先史の中に第一歩を印した古典として、読まるべき意義を失ってはいないのである。 一八六一年に書かれたこの『母権論』の功績は、著者バッハオーフェンが自身の神秘的な観念に制約されつつも、熱心にギリシア、ローマ等の古典文学を・・・
宮本百合子
「先駆的な古典として」