・・・○江東地区の一人、暗闇夜、自転車をとばして地区のデンタンを電車・乗合自動車のうしろに十数枚はりつけた。○大衆闘争の中から大衆闘争の戦術を学べ。○国鉄と麻布三連隊の兵士 赤坂一レンタイと市電労働者の共同懇談会が持たれた。○・・・ 宮本百合子 「大衆闘争についてのノート」
・・・去年の第三回大会に文学サークル協議会の報告は、詩と小説の面でこの点にふれていました。国鉄の雑誌や労働新聞に集る沢山の応募原稿の選をした方々にもこれはよく分っています。 働く人々が文学作品を読み、味わい、批評するその過程に、いわゆる文学を・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
国鉄のクビキリが人々の注目をあつめはじめると同時に、列車妨害の記事が毎日、新聞へ出るようになった。九州ではトンネルの入口にダイナマイトをしかけた者さえあった。 そしてそれらの新聞記事は、それらの妨害がどれも鉄道の専門知・・・ 宮本百合子 「犯人」
・・・ 一九四五年の冬から活溌におこった労働組合の活動と労働者階級の文化活動は、支離滅裂に流れてゆく商業的な文学の空気を貫いて文学サークルを生み出し、全逓従業員の文学作品集『檻の中』、国鉄の詩人たちの詩集、自立劇団の誕生につれて続々あらわれた・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・ 事務室で、チリチリとベルが鳴り、係員がハアハア、ハアハア、と一種の玄人らしさで返事している、あのデンワで、この多忙、繁雑、非能率な国鉄運営の難事業を処理しているのではないだろうか。 各種の軍事施設は、おそらく優秀なラジオをもってい・・・ 宮本百合子 「みのりを豊かに」
・・・ 生活必需品に対してそういう手当をする政府は、つい先頃、国鉄運賃大幅値上げをした。省線・都電の運賃値上げをして、地域によっては出もしないガス六倍、水道十二倍にすると云った。まさか、出ないガスと水道だから上ったところでメートル代だけです、・・・ 宮本百合子 「モラトリアム質疑」
・・・しかし家計簿と最低賃金四百五十円也というものを睨み合せて見ると、不思議なことが起る。国鉄の非常識な値上、公定価格の全般的吊上げが発表されている。今日、疎開している人口は、どのくらいあるか、疎開した学生の数は何人あるだろうか。疎開した勤人、疎・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫