・・・が、圧制者であるウィルヘルム二世は、労働者である織匠たちの生活の辛苦と、そこから解放を求めた闘いを題材とするこの全く新しい版画集に、賞を与える決議を却下した。 一九〇八年に発表した版画の連作「農民戦争」で、ケーテ・コルヴィッツは「ヴィラ・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
・・・「最もおくれた労働者の間にも『活字にのせたい』という本格的情熱――掠奪と圧制の上に築かれた現代の社会秩序全体とのたたかいのこういう萌芽的な形態への情熱が発表している」というレーニンの人間らしい洞察に立って具体的モメントをさがしてゆくと、サー・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・これは私が鈍感であったせいかもしれぬが、とにかく私自身は、古い連中が圧制的だと感じたこともなかったし、また漱石に楯を突く態度をけしからぬと思ったこともない。初めのうちは、弟子たちが漱石に対して無遠慮であることから、非常に自由な雰囲気を感じた・・・ 和辻哲郎 「漱石の人物」
出典:青空文庫