・・・その下から、自然発生的に、やがては次第に意識的に、次代のジェネレーションに生きついでゆこうとする要素と、同じ環境から生い立って、その善意のすべてにかかわらず様々の道をとおって壊滅を辿らなければならない者と、それらも大なり小なりの典型として描・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・ 記録文学のあるものは、日本帝国主義軍隊の戦争、敗北、潰滅が、そのかげにかくしていたさまざまの歴史的事実を一般の人々の批判のあかるみにだし、侵略戦争の本質について考えさせ、まじめな役割を果した。いま公判がひらかれている吉村隊長が、外蒙の・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
好きな男性というのと、興味を感じ又はその行為に感動をひきおこされて心にのこっている男性というのとは少しちがうのでお答えに困りました。ファジーエフの「壊滅」の中のレビンソンなどつよく心にのこっています。この答えをかくとき数人・・・ 宮本百合子 「これから書きます」
・・・そして文学の真に芸術としての自主的な意義を潰滅させた。 このおどろくべき経験は、これからの日本の文学と文学者にとって、無限の教訓となるに違いない。作家が、自分を一市民と自覚して、自身の社会生活構築の過程により真摯に参加するにつれて、文学・・・ 宮本百合子 「生活においての統一」
・・・このように、ソヴェト同盟という社会主義社会では、一人一人の男女市民がその能力・才能と生活経験において独特な幅と質とを賦与されているという事実を、しいて無視し、さげすみ、誹謗して自身の壊滅の素因をつくったのがナチスであった。 こんどの大戦・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・その日本帝国主義が、日本の人民生活をもまた壊滅させていることを。 新しく採択された中華人民共和国の大憲章が、その第一章第六条、第五章第四十八条に「婦人を束縛する封建制度を廃止」し、母性福祉を約束していることは当然といいながら、その現実的・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・そして遂に、かがやくばかりに美しかった白と黒との調和は、血潮のなかに壊滅させられる。 オセロの悲劇の頂点は、オセロの嫉妬だけにおかれていない。オセロの人間的尊厳を愚弄されたと思った憤りと絶望の深さにある。その角度からみれば、地球上に植民・・・ 宮本百合子 「デスデモーナのハンカチーフ」
・・・が批判され、山田清三郎、林房雄その他の人々がプロレタリア作家同盟を壊滅させるために精力的に働いた。ソヴェト同盟が第一次五ヵ年計画を完成してその過程でインテリゲンチャ、技師、学者等従来プロレタリア階級の発展に対していくらか距離をもっていた・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・日本は、壊滅の一歩手前に追いこまれた。主食補助のやみの米が一升二七〇円している。戦争がほんとうにおそろしいのは、空から焼夷弾、爆弾の降って来る最中よりも、むしろ戦後破滅からの回復が困難であることである。日本のように、自分の国の天然資源が少い・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・が最後に潰滅する迄つきまとった。 フォルシュはそのはげしい革命の波にうたれながら、「ラビ」「居住者」など、彼女の代表作となったものを書いた。 シャギニャーンの『文学日記』『自分の運命』『ソヴェト・アルメニア』等が出版される。 党・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
出典:青空文庫