・・・十五歳ぐらいの不良少年がチャリンコ適齢期であり、親分子分、兄貴とのつきあいを知っていることは、こんにちの日本の世相では周知の事実である。反対に十三歳より十五歳の少年たちが列車妨害を発見した一例があった。これとそれとを考えあわせれば、十五歳の・・・ 宮本百合子 「犯人」
・・・はこれまで、親分子分風な封建的内部組織でやって来ている。つまり、親分=大幹部が、絶対独裁である。あますところなく自己批判し、過去の誤りを清算し、新しく正しい階級的立場に立って、芸術活動をつづけて行くためには、どうしたって、団体内の容赦ない互・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
「水中の町」 モチズキ ヨシ 全体メロドラマ的にあつかわれすぎている。ヤミ屋の親分、子分、水中の町の顔役、その結たくがたて糸となっていて町のあたりまえの人たちの水中生活の姿が浮び出ないしそこで赤旗をも・・・ 宮本百合子 「予選通過作品選評」
出典:青空文庫