へいけがに【平家蟹】
ヘイケガニ科の甲殻類。甲幅2センチくらい。甲は丸みを帯びた方形で、人面状の隆起がある。歩脚の後ろ二対は短くて背面にあり、これで貝殻を背負う。日本近海、特に瀬戸内海に多く、平家の亡霊が化したという伝説がある。たけぶんがに。
へいけざとう【平家座頭】
平曲を語る座頭。
へいけだに【平家谷】
平家の残党が隠れ住んだという伝説のある土地。新潟県村上市の三面 (みおもて) 、徳島県三好市の祖谷 (いや) 、熊本県八代市の五家荘 (ごかのしょう) など。
へいけどり【平家鳥】
アビのこと。瀬戸内海地方でいう。
へいけのうきょう【平家納経】
平清盛が平家一門の繁栄を祈願して長寛2年(1164)に安芸 (あき) 国の厳島神社に奉納した経巻。法華経28巻に無量義経・観普賢経、および般若心経・阿弥陀経と清盛の願文を加えた33巻からなる。華麗な装飾経中の代表的逸品。国宝。
へいけびわ【平家琵琶】
1 「平曲」に同じ。 2 平曲の伴奏に用いる琵琶。雅楽の楽琵琶より小形で、4弦5柱 (じゅう) 。弦の柱と柱との間を左手で押さえて音を調節する。
へいけぶし【平家節】
狂言の謡 (うたい) で、平曲めかしてうたう曲節。
へいけぼし【平家星】
《赤く見えるところから》「ベテルギウス」の和名。→源氏星
へいけぼたる【平家蛍】
ホタル科の昆虫。ゲンジボタルより小形で体長8ミリくらい。体は黒色、胸部は赤橙色で黒い縦線があり、尾端に発光器をもつ。幼虫は水田・池などにすみ巻き貝のカワニナを食べ、6月ごろ成虫になる。
へいけもっかんりょう【平家没官領】
平家滅亡の際、朝廷に没収された平家一門の所領および所職 (しょしき) 。大部分が平家追討の勲功として源頼朝に与えられ、鎌倉幕府の重要な経済的基盤となった。