・・・の立場にかわりはないばかりか、一家の柱として供出、税、どれひとつ男の戸主がいるときどおりにとり立てられ、増加して徴収されていないものはないのが現実です。 現在日本には一千万人の小学生がいます。憲法では、小中学校教育は親に負担とならないも・・・ 宮本百合子 「願いは一つにまとめて」
・・・ 民法も改正され、一家のうちで戸主や長男にばかり認められていた特権も縮少され、婦人の財産上の権利、親としての権利も認められるようになりました。結婚の自由もあるようになりました。離婚の問題も婦人に不利であった条件を、男子と同等なものにしよ・・・ 宮本百合子 「婦人大会にお集りの皆様へ」
・・・協議離婚として、離婚しようとする対手の夫がその申出を承認し、二人の証人も承認し、妻がわかければ、妻の生家の戸主の署名までなければ、離婚は不可能であった。妻が夫の乱行に耐えず、また冷遇にたえがたくて離婚したくても、夫が承知しなければ、生涯ただ・・・ 宮本百合子 「離婚について」
・・・夫に死に別れた時、戸主となるものは自分の息子であるか或は養子であるか、いずれにせよ、その時婦人は相続者の支配の下に置かれる立場になっている。徳川時代女は三界に家なしといわれた。それは、果敢ない女の一生の姿として今日考えられている。けれども、・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫