・・・現代文化社というところで私の最近の評論感想集[自注15]を出すそうで、多分一月頃出版の運びになるだろうと思って居ります。本年一月の『文芸』にかいた「小祝の一家」という小説は三一書房という本屋から出たいろいろな人十七人の『われらの成果』という・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ ところで、私の本が三月頃出たら、その印税で楽しみなことが二つあります。その一つは林町の父の親友たち爺さん達を招待して父をよろこばせること。もう一つは島田の父上の御隠居部屋をつくる資金の一部をお送りすることです。この計画は非常に楽しみで・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・第一期 一九四五年八月十五日――一九四六年三月頃まで。第二期 一九四六年四月――一九四七年三月まで。第三期 一九四七年四月――一九四八年三月頃まで。 第一期 追記 この「今日の・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・本年の一月頃から日本文学の動きは『文学界』を中心に、文学における科学的客観的評価の否定、合理的な世界観の拒否の声が一層高まり、昨今はこのグループによって変種の実証主義、信仰的体験への要求が提出されている。文化における極端な民族尊重の傾向と結・・・ 宮本百合子 「作家のみた科学者の文学的活動」
・・・ 犬の引く小さい運搬用橇 石炭をつんでゆく馬橇 女のカクマキ姿 空、晴れてもあの六七月頃の美しさなく、煙突から出る煤で曇って居る。 雪をかきわけて狭くつけた道にぞろぞろ歩く人出。 冬ごもり ○自由・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・ ○山の皺にまだ雪アリ ○四五月頃の温泉あまりよくなし。 ○枯山に白くコブシの野生の花 遠くから見える景色よし 都会の公園 日比谷公園 六月二十七日 ○梅雨らしく小雨のふったり上ったりする午後、・・・ 宮本百合子 「一九二七年春より」
・・・大抵三月頃、寒いモスクワではまだ雪の下でやっと木の芽がふくらみかける頃行われるのですが、その頃の町の景色の活き活きとして楽しげなことと云ったらほんとに皆さんに見せたい!「働かざる者は食うべからず」という言葉の刻まれている高い高い塔の立っ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
芥川さんに始めておめにかかったのは、大正六年の多分三月頃のことだったと思います。まだ私が羽織を着ていた憶えがあるから。久米さんと一緒に或る午後遊びに見えました。『新思潮』がまだ久米さん方によって編輯されていた時分で、その時・・・ 宮本百合子 「田端の坂」
・・・そして、去年の十月頃執筆されたものであるそうである。「党生活者」は、その親しみぶかい沈潜した文章をとおして、ボルシェヴィキーの気魄を犇々と読者に感銘せしめる小説である。「オルグ」を書いた時代、前衛を描きながらも同志小林自身の実感はその境・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価によせて」
・・・ 十四日 岸博士来、左胸部浸潤 来年二月頃まで休養 〔欄外に〕○病気にかまけて居るAを見る歯がゆさ。 聖書 マンネリズム ○上役に対して。 ○パーマのこと。 二月頃 ○西村のこと。 マリモ・・・ 宮本百合子 「「伸子」創作メモ(二)」
出典:青空文庫