・・・小生は不精だから、人の事に就いて自動的には働かないが、言いつけられた限りの事は、やってもよい。末筆ながら、おからだを大事にして、阿片などには見向きもせぬように、とまたしても要らざる忠告を一言つけ加えた。私のその時の手紙が、大隅君の気にいらな・・・ 太宰治 「佳日」
・・・太宰治先生。末筆ながら、めでたき御越年、祈居候。」 元旦「謹賀新年。」「献春。」「あけましておめでとう。」「賀正。」「頌春献寿。」「献春。」「冠省。ただいま原稿拝受。何かのお間違いでございましょう。当社ではおたのみし・・・ 太宰治 「虚構の春」
・・・ 最後に、末筆で失礼であるが、私は、学生時代、先生にひどいお世話になったことを、附記しておかねばならぬ。そうしてそれは、いつも、私の遠い悲しい思い出になっている。 太宰治 「豊島與志雄著『高尾ざんげ』解説」
出典:青空文庫