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・・・「身に覚なきはおのづから楽寝仕り衣裳付自堕落になりぬ。又おのれが身に心遣ひあるがゆへ夜もすがら心やすからず。すこしも寝ざれば勝れて一人帷子に皺のよらざるを吟味の種に仕り候」とある。少し無理なところもあるが、狙い処は人間のかくれた心理の描写に・・・
寺田寅彦
「西鶴と科学」
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・・・ 猫もかわいそうであった。楽寝のできるのは子供らの学校へ行っている間だけである。まもなく休暇になるともう少しの暇もなくなった。大きい子らは小さい子らが三毛をおもちゃにしているのを見ると、かわいそうだから放してやれなどと言っていながら、す・・・
寺田寅彦
「ねずみと猫」