・・・彼は殆どこれまで唯一のソヴェト海洋作家である。婦人の作家――もとは小学校の女教師で党員作家であるアンナ・カラヴァーエヴァも出かけた。 彼等は、赤軍兵が張ってくれた後方のテントの中で、手帳をひねくりまわしてはいなかった。突撃に加わり、一緒・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ かように文学として自主的な必然に立っていなかった農民文学のグループが、本来ならばますます描かれるべき農村状態の緊張の高まりと共に忽ち方向を転換して次の年には南洋進出の潮先に乗って海洋文学懇話会というものに変ったのは、まことに滑稽な悲惨・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・ ロシアの艦隊が、その実質にはツァーの政府の腐敗を反映して、どんなものであったかということは、ソヴェトの海洋文学の作者ノヴィコフ・プリボーイの近作「ツシマ」が、私達に雄弁な描写を与えている。 アドミラル・トーゴーの勇名が世界に轟いた・・・ 宮本百合子 「花のたより」
出典:青空文庫