・・・があると語られたとき、演壇に立ったあなたの胸にあふれたであろう感動をわたしたちは感動なしに想像することができません。 あなたがた革命の指導者たちと、根気づよい中国の人民とは、この日までに、幾多の辛酸とおびただしい犠牲を堅忍しました。それ・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・永い間人気なく、しめこまれていた埃と湿気のにおう広間の一隅で、その日の午後から開かれる解放運動犠牲者追悼会のために、演壇に下げる下げビラを書いている人たちが四五人働いているかぎりだった。重吉はそこには見当らなかった。すると、階下から二人づれ・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・などが演ぜられプロレタリア大衆の熱烈な支持をうけた小劇場の舞台が、今日の日本プロレタリア作家同盟第三回全国大会の大事な演壇である。 飾りっけない後の灰色の壁に、赤い「ナップ」旗が張られている。 ┌─────────────────・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・と、それはどう解決されるのであろうか、政府の方針を守って買い溜をしなかったものは今日物資に不自由し、命を守らずして買いだめしたものは、不自由を感じていない。正に正直な者が罰せられたのであります。と演壇からいわれるとき、拍手が満堂をゆすって、・・・ 宮本百合子 「待呆け議会風景」
出典:青空文庫