きょうげんし【狂言師】
1 狂言を演じる役者。 2 江戸時代、大奥や諸大名の奥向きに出向いて歌舞伎狂言を演じ、また、奥女中に歌舞や音曲を教えた女師匠。お狂言師。
きょうげんじさつ【狂言自殺】
死ぬつもりがないのに、自殺のふりをして人をだますこと。「金につまると—をして田舎の親たちを、おどかす」〈太宰・東京八景〉
きょうげんじょうるり【狂言浄瑠璃】
歌舞伎狂言の劇中で演じられる常磐津 (ときわず) ・清元などの浄瑠璃による所作事 (しょさごと) 。
きょうげんづくし【狂言尽(く)し】
1 能と交互に上演するのでなく、狂言だけを何番か上演すること。またその会。 2 歌舞伎のこと。「物真似 (ものまね) 狂言尽くし」を略して称したもの。
きょうげんばかま【狂言袴】
狂言で、太郎冠者および商人・百姓などの役のつける袴。紋散らしの模様がある。半袴。
きょうげんばしら【狂言柱】
《狂言座の向かってすぐ右にあるところから》後見柱 (こうけんばしら) の異称。
きょうげんぼん【狂言本】
歌舞伎狂言の筋をまとめた版本。元禄年間(1688〜1704)に流行した。多くは挿絵が入っているので絵入り狂言本ともいう。
きょうげんまく【狂言幕】
⇒定式幕 (じょうしきまく)
きょうげんまわし【狂言回し】
1 歌舞伎劇で、筋の運びや主題の解説に終始必要な役柄。 2 表立たずに物事の進行をつかさどる人物。「社長交代劇の—をつとめる」
きょうげんめん【狂言面】
狂言で用いる面。おかしみのあるものが多い。神・鬼や動物のほか、老人・醜女の役などに用いる。武悪 (ぶあく) ・嘯 (うそふき) ・賢徳・乙 (おと) など。