・・・の題材とちがって、国家の権力によって組織されていた一つの巨大な野蛮と殺りくの全体系の一部分を題材としたのであるから、作者が題材としてきりとって来てそこを描き出した一片の経験は、短期間の、比較的平穏なものであったにしても、人民の芸術として読み・・・ 宮本百合子 「小説と現実」
・・・ 女の職業は一時的だからといっても、その短期間でも、現代の職業がもっているあらゆる弱点は、精神的肉体的に若い女性の生活へ直接ぶつかって行って、彼女たちをその中へからみこみつつある。それなのに、若い女性たち自身心のどこかに持っている、働く・・・ 宮本百合子 「働く婦人の新しい年」
・・・われらは、不意に、陰険に、不条理に短期間、あるいは長期間自由を奪われる。林は、二年の間、そのようにプログラムをもって読書してもなおかつレーニニズム的発展は十分なし得ないような書籍しか自身に許可しなかった支配階級に対して、かつて一度の憤りをも・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
出典:青空文庫