・・・の問題は、文学作品の形をとっていたから、文学者たちの注目を集め、批判をうけましたが、ひきつづきいくつかの形で二・二六実記が出て来たし、丹羽文雄の最後の御前会議のルポルタージュ、その他いわゆる「秘史」が続々登場しはじめました。なにしろあの当時・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
一九四九年の春ごろから、ジャーナリズムの上に秘史、実録、実記と銘をうたれた記録ものが登場しはじめた。 氾濫した猥雑な雑誌とその内容はあきられて記録文学、ルポルタージュの特集が新しい流行となった。 記録文学、ノン・フ・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
・・・テラス、ロマンス類が、もとの軍情報部に働いていた人をやとい入れて、戦時秘史だの反民主的な雰囲気を匂わせはじめると、その風潮は無差別にぱっとひろがって二・二六事件記事の合理化された更生から文学にまで波及し「軍艦大和」のように問題となる作品をう・・・ 宮本百合子 「ジャーナリズムの航路」
出典:青空文庫