・・・動力の科学的進歩のことにしても、自動車がガソリンでなく薪で走って、坂にかかると肥桶を積んだ牛車に追いこされるという笑話が万更嘘ばかりでもない今日、現象として科学の発達のよろこびは皮肉と苦笑とを誘って実感から遠いものとなるのはやむを得まい。台・・・ 宮本百合子 「市民の生活と科学」
・・・日 おらおっちぬよ、そんけ乗ったら、この年で…… これは、革命後ロシアではいろんな町名が変えられ、それが大抵世界のプロレタリアート革命運動に関係のある年月日、人名などを揶揄ったレーニングラード人の笑話である。 冬宮は、その旧ニェフス・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ それで子供のために笑話的教育フィルムが出来たり……それも計画的生産で、活動も一年に教育フィルムを何本作る。歴史的なフィルムを何本作る。十月革命の歴史に関するフィルムは何本作る。喜劇は何本、外国の問題を取扱ったものは何本作る。そういう風・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・これを政治家の場合にあてはめて革命的政治家が当時の道長を模して満足していると言ったら笑話としてさえ通用しないでしょう。うぬぼれの象徴にさえなり得ない噴飯事です。 「こたつにあたっているような生活態度」ということは、おそらくわたしが不・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・ と啖呵をきった笑話がある。 当時の人民層がおもっていた社会と政治感覚のこんな素朴さ。しかし、官員万能であり、時を得た人、成り上がりが幅をきかしても一般には思うにまかせない貧富の差、生活向上をねがう人間の権利に対する機会の不平等などは、・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
出典:青空文庫