・・・、フールマノフの「赤色親衛隊」などを凌駕する、どのような作品が農民作家によって呈出されたであろうか? ファジェーエフは「ラップ」の作家だ。イワノフは同伴者作家として、まだ新鮮な力のあった時分「装甲列車」を書いた。赤軍も、農民とは切りはな・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・同じ時代に発表されたロシア作家の作品でも、「赤色親衛隊」などのもっている諸要素は、セラフィモヴィチと全く反対の調子のものであり、作者フールマノフの南方的でない気質を示していることが見られるのである。 ところで、現実について観察を進めてゆ・・・ 宮本百合子 「自然描写における社会性について」
・・・私たちに近親な作家として、たとえばフールマノフやファデーエフ等の作家たちは、彼の「赤色親衛隊」や「叛乱」の政治的・文学的意味を自覚して創作したであろうし、ファデーエフの「壊滅」は偶然の作品ではなかった。単にゲリラに参加した若者の手記ではなか・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・「赤色親衛隊」の作者、故フールマノフにしろ、ゴーリキイにしろ、前例のない作家の典型である。これらの人々は、ゴーリキイのように終始一貫作家としての活動で歴史の推進に参加し、それを反映すると同時に進む歴史の指導的な力に導かれて偉大な完成を遂げた・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムへの道」
出典:青空文庫