・・・両者の主張の整理のしかたに、整理した人のはかりのかたむきが解答への暗示となってちらついているし、アンケート用として適当だと感じられない。が、大体この討論は小田切が「革命性ぬきの勤労者文学」と批判したのを反駁して徳永が労働者階級の文学の革命性・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・ ここに発言しているいきいきとした小さい婦人たちは、彼女たちが十五歳から十八、九歳の女性の肉体と精神とで感じているあらゆる問題こそ、つまりはその人々の一生で解答されてゆかなければならない課題だということについて、どのように自覚しているだ・・・ 宮本百合子 「小さい婦人たちの発言について」
・・・ そして、あのとき、もし自分が大人だったら、そうっと彼が泣く訳を聞けるだろうのにと思った心持は、そのときよりはっきりとした解答、彼の泣いた訳も、結果も分っているという心持を伴って、一層の同情を喚び起したのである。「彼も人間である。私・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
・・・ p.220 解答○彼の宇宙は世界ではなくて ただ人間だけである。風景に対して魯鈍である。p.221○汎神主義の貴重な五穀が欠けている。長閑さの欠乏、 ツワイクの解答は p.220 以下 弱い。率直に、ドスト・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・とし、最も高度なボルシェヴィキ的解答を与えたのである。 同志小林多喜二が創作の実践にあたって非常に理論を尊重したことは上述のとおりであるが、彼は、決して「理窟のいえない小説家」ではなかった。従来執筆された文学に関する感想、論文などは、レ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・私共は解答者を得ない疑問を持ち合ったまま、再び山門を出た。唐門の剥落した朱の腰羽目に、墨でゴシック風の十字架の落書がしてあった。木庵の書、苑道生の十八羅漢の像などを蔵しているらしいが時間がおそくそれ等は見ず。 片側には仏具を商う店舗、右・・・ 宮本百合子 「長崎の印象」
・・・そのものだけでは問題の解答にならなかった。「楽しき雑談」の中野重治、「五勺の酒」の中野重治、そして議会演説集第一巻をもつ中野重治と、そこに立体的に統一された何かの新しい文学者としての存在が確立されつつあるか、その確立のよりどころはどの点にお・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
・・・ 私共は、自分の立場として、この問題にどう云う解答を、事実に於て与えなければならないか。大きな大きな宿題です。 現代数万の女性は、いやいや母になり、万已を得ず生れた子を育て、傍ら、自己発揚の機会を奪われている不平を述ております。・・・ 宮本百合子 「「母の膝の上に」(紹介並短評)」
・・・ この解答が、思いつき以外の何でもないことは、誰にでも、ハッキリわかる。 では、ほんとにどういう理由で、世界の文学はあらゆる時代を通じて傑れた婦人作家というものを僅かしか持っていないのだろうか? 封建時代及資本主義社会においては・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・と、いきなりトルストイは解答を与えた。 何ぜか、これは少し興味がある。 恐い夢 私は歯の抜ける夢をしばしば見る。音もなくごそりと一つの歯が抜ける。すると二つが抜ける。三つが抜けたと思わないのに、不思議に皆抜けている・・・ 横光利一 「夢もろもろ」
出典:青空文庫