・・・日本プロレタリア文化連盟が、日本のプロレタリア文化運動の唯一つの輝かしい綜合団体として結成されてから、作家同盟はそこの婦人協議会へ数人の婦人作家を協議員として送り出している。 日本プロレタリア文化連盟から刊行される日本で唯一つの階級的な・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・間をおかず昨日と一昨々日送り出しましたが、どうかしら。 ともかくこの手紙は何か遑しく半端ですが、これだけにして送り出します。『辞苑』辞書としていいであろうと思うがいかがでしょうか。すぐ又書きます。林町の皆からもよろしく。 三月二・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・手おくれにならないうちにと、東京から疎開荷物を送り出しはじめている人の話もきいた。ところがそれほど婦人に恐怖を与える戦争に対してあのころ、わたしは戦争がいやだ。わたしたちはどんなことがあっても戦争は拒絶する、と発言した婦人たちは、果して幾人・・・ 宮本百合子 「今年のことば」
・・・ 既に結婚していれば、それがたとえ僅か半月ほど前のことであっても、夫婦としての二人の間はもう動かせないものとなっていて、良人を送り出して後の新妻の生活は、良人を心持の中心において何とか方法が立てられた。待つ、ということのなかに、日本の女・・・ 宮本百合子 「これから結婚する人の心持」
・・・という論文を送り出している。これより先、印象批評に対して、「外在批評」ということが云われており、そのことでも、主張されるところは、文学の評価に何らかの客観的なよりどころを求めるものであったが、蔵原は、ぼんやり客観的と云われていた基準に社会的・・・ 宮本百合子 「昭和の十四年間」
・・・ 成長をうながす一つの方法として、一部では隣組に主婦会をおいて、主婦というものを一つの職能として上部の組織へも代表を送り出して発言する可能をつくろうと考慮中らしい。 主婦という立場を職能とみるべきであるという考えは、日本の新体制から・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・王様は早速、適当な兵を送り出して置いて、いつもの通り瞬く間に勝って来るのを、王宮の暖いお寝間の中で待っておられた。 けれども、どうしたのか、兵は、却って隣国の者に追いまくられ、散り散りばらばらになってしまったので、また、二度目の出兵が必・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
・・・けれども、一つ町内でそういう風に戦時景気に便乗していくらかでも甘い目を見た家の数と、毎日毎日、日の丸をふって働き手を戦争へ送り出し、そのために日々の生計が不安になっていった家の数をくらべて見たらどうだったろう。どんな町でも村でも、目立って景・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・ 野上彌生子の理性的な創作方法とはちがって、はるかに素朴な生活力ながら、やはり調べた題材による作品を送り出して来た小山いと子が、最近の「執行猶予」で、経済違反の弁護によって成り上ってゆく検事出身の弁護士とその家庭、現代風にもつれる男女の・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・は、世界のプロレタリア文学の婦人作家として誰々を送り出しているだろうか? ロシア文学は十九世紀から世界文学の中でも特に独特な高い位置をもって来た。ロシア文学には、ほかのどの国の文学よりも人生と人間生活との問題に直接ふれた作品が多くロシア・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
出典:青空文庫