・・・ 私たちは自分たち自身を過りにおとしいれ思わぬワナにはめないために、食糧管理委員会の運営の方法について正しい知識をもたなくてはならない。この、民主的な自主の委員会は各区、各市、各地方と全国のひろがりで、到るところにつくられてゆくものであ・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
・・・先ごろ来朝していた作家シーモノフが、日本の出版界にもそれを衷心から希望したとおり、ソヴェト同盟の出版事業は直接に人民文化の仕事として企画され運営されている。どうしてそんないい条件の『星』や『レーニングラード』が、くだらないゾシチェンコに叩頭・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・、そこから逃げ出せば法律で以て罰せられ、牢屋にまで送られた徴用の勤め先が軍部への思惑だけで、収容力もないほどどっさり徴用工の頭数だけを揃えていることや、そのために宿舎、食糧、勤労そのものさえ、まともに運営されて行かず、日々が空虚に心を荒ませ・・・ 宮本百合子 「青年の生きる道」
・・・たたかいは、十九世紀から二十世紀のはじめにかけての、男子に対する婦人の権利の拡張から発展して、こんにちでは、世界各国の人民男女として、男女が互に扶け合い、生活関係と政治を、より多数のものの幸福のために運営する可能を見出してゆこうとする時期に・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・学習院の運営は宮内省からきりはなされ、自主的にされなければならなくなっていること。これらすべての今日の現実を、漱石に理解させることができたとして、彼はどういうテーマで講演するだろう。 やっぱり漱石は、権力・金力に対して毅然たるべき人間性・・・ 宮本百合子 「日本の青春」
・・・組織の内のことは、組織の内で解決するべきものだ、ということが、組織の運営についての論議と、文学問題一般についての発言とのけじめなく、プロレタリア作家たる立場として、求められたのだった。 現在、この状態は、一変している。政党が存在している・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
・・・日本全国のすべての婦人が、その苦痛の解決のために、希望の具体化のために、よろこばしい諸成果をともどもに愉しむために、生々と運営してゆくべき組織の一つです。確乎として、正しく明るく、そして温いこの社会の輿論の一つの源泉ともなりたいものです。婦・・・ 宮本百合子 「婦人民主クラブ趣意書」
・・・知らしむべからず、よらしむべしという徳川幕府の政治的金言は、天皇制運営者たちによって、人民にあてはめられて来たばかりでなく天皇そのひとの生涯に適用された。天皇一族の経済的なよりどころは資本家、地主としての日本の資本主義の上にある。その帝国主・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・そして、私たちがまだ未熟で、クラブとしての運営の形も十分ととのいきれないうちに、日本の社会の事情は目まぐるしく前進した。そして、本当に婦人たちの自発的な気もちから生れた婦人団体というものが日本に殆どないために、新しい日本建設の一つの要素とし・・・ 宮本百合子 「三つの民主主義」
・・・ 事務室で、チリチリとベルが鳴り、係員がハアハア、ハアハア、と一種の玄人らしさで返事している、あのデンワで、この多忙、繁雑、非能率な国鉄運営の難事業を処理しているのではないだろうか。 各種の軍事施設は、おそらく優秀なラジオをもってい・・・ 宮本百合子 「みのりを豊かに」
出典:青空文庫