・・・今日の情勢で大きい役割を果している日本の官僚というものが、その発生の歴史においてヨーロッパ近代諸国のそれとは異り、日本の特別な近代化の過程で生じたものであることは、長谷川如是閑氏の説明でも明らかである。明治の文化的相貌も、当時の所謂金時計に・・・ 宮本百合子 「文学における今日の日本的なるもの」
・・・ 六月の『中央公論』に長谷川如是閑が文芸時評を書いている。プロレタリア文学についての意見の中で、取材、形式の固定化をあげている。そして、「プロレタリア作家生活がすすむにつれ、その芸術的空想の局限が見えて来るようだ」から、いわゆる政治小説・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ 伝えきくところでは、長谷川如是閑氏が「新日本文化の会」の会長になるそうである。『日本評論』の匿名リレー評論をよむと、日本の思想界を次の時代にひきいてゆく力量をもった綜合的思想家としては如是閑氏を措いて他にないように云われている。筆者は・・・ 宮本百合子 「矛盾の一形態としての諸文化組織」
出典:青空文庫