限りある位
その人の身分の中で許される最高の位。「春宮に、—なりとも、このごろ譲り聞えて」〈栄花・歌合〉
限りある道
死出の旅路。「ただ—の別れのみこそ後ろめたけれ」〈源・初音〉
限りある世
この世。現世。「別れてはいつ相見むと思ふらむ—の命ともなし」〈後撰・離別〉
限りを尽くす
あるだけ全部を出し尽くす。また、極める。「力の—・す」「贅 (ぜい) の—・す」
かぎりづき【限り月】
⇒かぎりのつき(限りの月)
かぎりのこと【限りの事】
死者を葬るための行事。葬儀。「御心地をあながちにしづめ給ひて、限りの御事どもし給ふ」〈源・御法〉
かぎりのたいこ【限りの太鼓】
江戸時代、上方 (かみがた) の遊郭で大門をしめる時刻を知らせるために打った太鼓。門限は、寛永(1624〜1644)は四つ(午後10時ごろ)、貞享・元禄(1684〜1704)ごろには九つ(午前零時ごろ)、宝永(1704〜1711)初年には八つ(午前2時ごろ)であったという。
かぎりのたび【限りの度】
最後の機会。「あやにくに—しも入れ奉らずなりにしよ」〈源・蜻蛉〉
かぎりのたび【限りの旅】
《命には限度があり、どうしても行かなくてはならない旅の意から》死んであの世へ行くこと。死出の旅。「はかなき御悩みと見ゆれど、—にもおはしますらむ」〈源・椎本〉
かぎりのつき【限りの月】
12月の異称。極月 (ごくげつ) 。師走。かぎりづき。