出典:青空文庫
・・・、左翼作家のすべてがそのような大主題を、解放史の全局面から把握し、而も素晴らしい新手法で芸術品に仕上げる程の才能をもって生れているとは云えない。ファジェーエフの「壊滅」、ショーロホフの「静かなドン」などはよい作品だが、国内戦は局部的に扱われ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・さっき古本やの話に、この頃ショーロホフの小説などなかなか出るようになった由。スエ子は母がなくなってから糖尿病がひどくなって来て、この頃はアコウディオンを中止で、食餌養生をして居ります。相当意志をつよくやっているのは感心ですが、可哀そうに。私・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・そしてある種の外国人はソヴェト文学はファデーエフやショーロホフによって代表されるという概括に反対して、いや、今でもエセーニンの人気は大したものだ、と抗議した。微妙な心理から、ニュアンスをもって、エセーニンの名を執拗にあげた。そういう人々はソ・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・とショーロホフの「開かれた処女地」との間をつなぐ社会的事情を反映していることである。「処女地」は知られているとおりナロードニキの活動の高揚期を捕え、インテリゲンツィアの側から、若き先進者たちの内的矛盾を描きつつ農村を観察して行った作品である・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」