出典:青空文庫
・・・工場労働者でも、農民でも、スターリンだっても、朝はフーフーふくぐらい熱い紅茶にパンにバタをくっつけたのぐらいで、勤めに出てしまう。 昼十二時に、あっちでは朝飯というのをやる。一寸した腹ふさぎだ。卵をくったり、罐詰をくったり、牛乳またはチ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・から叫ばれるスターリンの激励演説とそれに応える数百万の勤労者の歓呼の声が轟くであろう。 諸君。われわれにもその確信と闘争に満ちたソヴェト同盟のプロレタリアの叫びが聴えるようではないか。よしゴルロフカ「労働宮」はまだわれわれのところに無い・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・サン・シモンという名をきいても顔をこわばらせない人々が、会話の中に毛沢東とかスターリンという名が出ると、それが悪口でない限り、髪の毛をさかだてる権利があるように誤解しているのは何故だろうか。 次の事実がその理由を説明する。アメリカの人民・・・ 宮本百合子 「「人間関係方面の成果」」
・・・「今年の六月、モスクで開かれた全国経済委員会議でスターリンが五ヵ年計画の失敗を告白している。差別賃銀制が行われるようになった。集団農場から箇別農場へ、強制労働から自由契約労働へ転向した。これは重大な敗北だ。ソヴェト・ロシアのことなら何でもい・・・ 宮本百合子 「反動ジャーナリズムのチェーン・ストア」
・・・ この間ソ同盟の飛行機が北極を通過して一気に一万六百キロ翔んでカリフォルニアのサンジャシント飛行場へ着陸し、六十二時間九分で、北極経由モスクワ・北米間の「スターリン空路」を確立したことがあった。報道映画の世界的傑作の一つとして、シュミッ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・いうような言葉を機械的に暗誦し易いフレーズにまとめて云っているのであるが、この見解がもし作者自身にとって具体的な内容で把握されているのであったら、関西財界の大立物であるという友人に向って「日本の左翼はスターリン派かトロツキー派か、どっちが有・・・ 宮本百合子 「「迷いの末は」」
・・・最後に今日ではスターリンの故郷として名の高いチフリス市の鉄道工場に入った。処女作「マカール・チュードラ」がチフリス新聞『カウカアズ』に掲載されたのは、まさにこの時なのであった。 成心く真心から書かれたこの一篇の小説は一八九二年のロシアの・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
・・・ 二 九月二十二日 土曜日 ヴォルガ河からスターリングラードへ十九日に上陸、それからウクライナの野を横切って、こちらで有名な温泉のあるキスロボードスク、ピヤチゴルスクに一晩ずつ泊りました。コーカサスに近・・・ 宮本百合子 「ロシアの旅より」