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・・・それを弥が上にもアコギな掘出し気で、三円五十銭で乾山の皿を買おうなんぞという図ずうずうしい料簡を腹の底に持っていたとて、何の、乾也だって手に入る訳はありはしない。勧業債券は一枚買って千円も二千円もになる事はあっても、掘出しなんということは先・・・
幸田露伴
「骨董」
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・・・でない生活をして、そのうちに、世界美術全集などを見て、以前あんなに好きだったフランスの印象派の画には、さほど感心せず、このたびは日本の元禄時代の尾形光琳と尾形乾山と二人の仕事に一ばん眼をみはりました。光琳の躑躅などは、セザンヌ、モネー、ゴー・・・
太宰治
「トカトントン」