出典:青空文庫
・・・の監督に当ったシドニー・フランクリンは、ムニやライナーを東洋人として演じさせるためにこまかい注意を払っているのであるが、私たち東洋の眼で見ていると、折々パッと異国の花が開いたようにライナーがほかならぬアメリカの最も尖端的な表情で立ち現れる瞬・・・ 宮本百合子 「映画の語る現実」
シルビア・シドニーが一人二役を見せどころとして主演した「三日姫君」という映画があった。外債募集のためアメリカへやって来た何とかいう世界地図にものっていないような弱小国の麗わしい姫が、ニューヨークへついて間もなくオタフク風に・・・ 宮本百合子 「花のたより」
・・・ シドニー・ハーバートという時の大臣の一人が、この時思い出したのはフロレンス・ナイチンゲールの存在であった。彼はフロレンスこそ、この場合に何事かをなし得る婦人であるとして、招きの手紙を送った。折から、ナイチンゲールの心にひらめいていた計・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」