うつ【全/空/虚】
[接頭] 1 (全)名詞に付いて、すっかり、全く、全部の意を表す。「皮を—はぎに剝(は)ぎて」〈記・上〉 2 (空・虚)名詞に付いて、うつろな、空虚な、の意を表す。「—蝉(せみ)はからを見つつも...
うつお【空/虚/洞】
1 中がからになっていること。また、そのようなもの。うつろ。うろ。「この唐櫃(からびつ)をこそ心にくく思ひつれども、これも—にて物なかりけり」〈今昔・二九・一二〉 2 岩や樹木にできた空洞。ほら...
うつほ【空/虚/洞】
⇒うつお(空)
うつ・く【空く/虚く】
[動カ下二]「うつける」の文語形。
うつけ【空け/虚け】
《動詞「うつ(空)ける」の連用形から》 1 中のうつろなこと。から。からっぽ。 2 愚かなこと。ぼんやりしていること。また、そのような者。まぬけ。「余りに頼効(たのみがい)なき—の罪を」〈鏡花・...
うつろ【▲空ろ▲虚ろ】
I〔がらんどう〕木の幹のうつろな穴a hollow in the trunk of a tree中がうつろな木a hollow treeII〔心などが空虚なこと〕うつろな心a vacant mi...
きょ【虚】
1〔むなしいこと〕emptiness心を虚にして人の意見に耳を傾けるlisten to a person with an open mind/listen to what a person ha...
きょえい【虚栄】
虚栄心を満足させるsatisfy one's vanity虚栄心をくすぐるtickle one's vanity虚栄心の強い女a vain woman
きょきょじつじつ【虚虚実実】
党総裁の地位獲得のため虚々実々の駆け引きが繰り広げられたThey engaged in a shrewd battle of wit and cunning to beat each other...
きょぎ【虚偽】
(a) falsehood虚偽の false, untrue;〔作り話の〕fictitious虚偽の申告a false report [return](▼returnは税金の)虚偽の申し立てをす...
きょえいしん【虚栄心】
[共通する意味] ★自分を実際以上によく見せようとする心。[英] vanity[使い方]〔虚栄心〕▽あの人は虚栄心のかたまりだ▽虚栄心を満足させる▽虚栄心が強い〔見え〕▽つまらない見えを張る▽見...
きょぎょう【虚業】
[共通する意味] ★事業の種別。[英] business[使い方]〔実業〕▽実業に就く▽実業界▽実業家〔虚業〕▽虚業であぶく銭を得る▽虚業家[使い分け] 「実業」は、農業、商業のような生産、製作...
きょこう【虚構】
[共通する意味] ★事実でないことを事実のように作り上げること。[英] fiction[使い方]〔虚構〕▽彼の学説には虚構が多い〔フィクション〕▽このドラマはすべてフィクションである〔作り事〕▽...
きょしょく【虚飾】
[共通する意味] ★表面を美しく飾ること。[使い方]〔飾り〕▽クリスマスツリーに飾りをつける▽飾りの多い文章▽首飾り〔装飾〕スル▽装飾を施す▽装飾品▽室内装飾〔修飾〕スル▽修飾の多い文章〔文飾〕...
きょじつ【虚実】
[共通する意味] ★現実の本当のことと、うそ偽りのこと。[英] truth or falsehood[使い方]〔真偽〕▽事の真偽を確かめる▽真偽のほどはわからない〔虚実〕▽虚実相なかばした話で、...
きょおうじっき【虚往実帰】
師などから無形の感化や徳化を受けるたとえ。行くときは何も分からずに空っぽの心で行って、帰るときには充実して、十分に満足している意から。▽出典では、王駘おうたいという人物が教え諭すわけでも道理を論ずるわけでもないのに、教えを請う者は空っぽの心でそこに行き、帰りには得るところがあって十分満足しているといい、王駘は言葉には出さないが、自然に相手を感化する教えを心得た人物として描かれている。「虚往」は空っぽの頭で行くこと。「実帰」は充実して帰る、また、十分に満足して帰る意。「虚きょにして往ゆき実じつにして(実みちて)帰かえる」と訓読する。
きょきへいしん【虚気平心】
感情をなくして心を落ち着けること。心をむなしくして平静にすること。また、その心境。▽「虚気」は感情をなくして心をむなしくすること。「平心」は心を落ち着けること。「気きを虚むなしくして心こころを平たいらかにす」と訓読する。
きょきょじつじつ【虚虚実実】
互いに策略や手段を尽くして戦うこと。また、うそとまことを取り混ぜて、相手の腹を読み合うことにもいう。▽「虚」は守りの弱いところ、「実」は守りの堅いところ。実を避け虚をついて戦う意。「虚」「実」のそれぞれを重ねて、意味を強調した語。
きょしんたんかい【虚心坦懐】
心になんのわだかまりもなく、気持ちがさっぱりしていること。心にわだかまりがなく、平静に事に望むこと。また、そうしたさま。▽「虚心」は心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態。「坦懐」はわだかまりがなく、さっぱりとした心。平静な心境。
きょじつひまく【虚実皮膜】
芸は実と虚の境の微妙なところにあること。事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実があるとする論。江戸時代、近松門左衛門ちかまつもんざえもんが唱えたとされる芸術論。▽「虚実」はうそとまこと。虚構と事実。「皮膜」は皮膚と粘膜。転じて、区別できないほどの微妙な違いのたとえ。「膜」は「にく」とも読む。