くす‐の‐き【樟/楠】
クスノキ科の常緑高木。暖地に自生し、高さ約20メートルにもなり、長命。葉は卵形で表面につやがある。5月ごろ、黄白色の小花を密生し、実は熟すと黒色。全体に香りがあり、樟脳(しょうのう)をとる。クス...
くすのき【楠木/楠】
姓氏の一。橘諸兄(たちばなのもろえ)の子孫と称する。河内(かわち)の土豪で、正成(まさしげ)以来名をあげた家系。 [補説]「楠木」姓の人物楠木正成(くすのきまさしげ)楠木正季(くすのきまさすえ)...
くすのき‐がくもん【楠学問】
《クスノキは、生長は遅いが大木となるところから》ゆっくりだが堅実に成長し、大成する学問。⇔梅の木学問。
くすのき‐ぶんげん【楠分限】
《クスノキは生長は遅いが大木となり、その根元がしっかりしているところから》長い年月の間に小利を積み重ねて、確実に資産を殖やした金持ち。⇔梅の木分限。
くすのき‐りゅう【楠木流】
近世、楠木正成を流祖と称した兵法の流派。正成流。
くすのき‐まさしげ【楠木正成】
[1294〜1336]南北朝時代の武将。河内の土豪。後醍醐天皇の鎌倉幕府討伐計画に応じ、幕府軍を相手に奮戦。建武の中興の功績で河内の国守と守護を兼ね、和泉(いずみ)守護となった。のち、足利尊氏...
くすのき‐まさすえ【楠木正季】
[?〜1336]南北朝時代の武将。河内の人。正成の弟。名は七郎。正成とともに後醍醐天皇に仕え、湊川で足利尊氏の軍に敗れて自害。
くすのき‐まさつら【楠木正行】
[1326〜1348]南北朝時代の武将。正成の長男。父の死後、河内守・摂津守となり、南朝軍として活躍。河内四条畷(しじょうなわて)で高師直(こうのもろなお)・師泰の軍に敗れて自害。小楠公。
くすのき‐まさとき【楠木正時】
[?〜1348]南北朝時代の武将。正成の次男。元弘の変以来各地で転戦。兄正行(まさつら)とともに四条畷(しじょうなわて)で高師直(こうのもろなお)・師泰の軍と戦い、敗れて自害。
くすのき‐まさのり【楠木正儀】
南北朝時代の武将。正成の三男。兄正行戦死以後、楠木氏の棟梁(とうりょう)として活躍。のち、南北両朝の和議を図り、あるいは北朝方につき、また南朝方に帰るなど去就が複雑であった。晩年は不明。生没年未詳。