ゆくとり‐の【行く鳥の】
[枕]飛ぶ鳥が先を争うようにの意で「争ふ」に、また、群れをなして飛び立つところから「群がる」にかかる。「露霜の消なば消ぬべく—争ふはしに」〈万・一九九〉 「舎人(とねり)の子らは—群がりて待ち」...
ゆくふね‐の【行く船の】
[枕]船が過ぎて行く意で、「過ぐ」にかかる。「—過ぎて来(く)べしや言(こと)も告げなむ」〈万・一九九八〉
り【罹】
[音]リ(呉)(漢) [訓]かかる 病気や災難などを身に負う。「罹患・罹災・罹病」
り‐かん【利勘】
[名・形動ナリ] 1 利害得失を計算してかかること。損得に敏感で抜け目がないこと。「あんな事もあらうかと、主の—」〈浄・浪花鑑〉 2 経済的なこと。また、そのさま。「—で至極よいが、その紐はあま...
やり‐かた【遣り形】
建築の基礎工事にかかる前に、柱・壁の位置や基礎の幅・高さなどを標示するために設ける仮設物。ふつう杭(くい)を打ち、貫(ぬき)を打ち付けて印をつけたものを作る。
わぎもこ‐に【吾妹子に】
[枕]吾妹子に会う意から、「あふ」と同音を含む「逢坂山」「近江(あふみ)」「楝(あふち)の花」「淡路(あはぢ)」にかかる。「—あふちの花は散り過ぎず」〈万・一九七三〉
わがせこ‐を【我が背子を】
[枕]我が夫を我が待つの意から、「我が待つ」と同音を含む地名「あが松原」にかかる。一説に「我が背子を我が」までを、松を導く序詞とする。「—我(あ)が松原よ見渡せば」〈万・三八九〇〉
わが‐たたみ【我が畳】
[枕]幾重も重ねて敷く意から、地名「三重(みへ)」にかかる。「—三重の川原の磯の裏に」〈万・一七三五〉
わかごも‐を【若菰を】
[枕]若菰を刈る意で、「刈る」と同音を含む地名「猟路(かりぢ)」にかかる。「—猟路の小野に鹿(しし)こそば」〈万・二三九〉
わき‐やり【脇槍】
横合いから槍で突きかかること。よこやり。