くさ‐の‐いおり【草の庵】
草ぶきの簡素なすみか。草庵(そうあん)。くさのいお。「わが袖は—にあらねども暮るれば露のやどりなりけり」〈伊勢・五六〉
くさのうえ【草の上】
金子薫園の歌集。大正3年(1914)刊。
くさのうえのちょうしょく【草の上の朝食】
保坂和志の青春小説。平成5年(1993)刊。第15回野間文芸新人賞受賞。著者のデビュー作「プレーンソング」の続編。
くさ‐の‐おう【草の黄/草の王】
ケシ科の越年草。道端や山野に生え、高さ約50センチ。茎や葉を切ると黄色の汁が出る。葉は羽状に深く切れ込み、裏面は白みを帯びる。初夏、黄色い4弁の花を数個つける。地上部を乾燥したものを白屈菜といい...
くさ‐の‐かげ【草の陰】
「草葉の陰」に同じ。「—苔(こけ)の下にもよそに見ば我ゆゑなほや露こぼるらん」〈新千載・哀傷歌〉
くさ‐の‐こう【草の香】
香草の名。香(うんこう)。くさのか。〈和名抄〉
くさ‐の‐しる【草の汁】
草緑色の日本画用の絵の具。藍蝋(あいろう)と雌黄(しおう)とをまぜて作る。
くさのつるぎ【草のつるぎ】
野呂邦暢の短編小説。自衛隊に入隊した青年の訓練の日々を描く。昭和48年(1973)発表。同年、第70回芥川賞受賞。
くさ‐の‐と【草の戸】
1 草で屋根をふいた庵(いおり)の木戸。草庵の戸。「卯(う)の花の垣根ばかりは暮れやらで—ささぬ玉川の里」〈夫木・七〉 2 簡素なわび住まい。草庵。「—も住みかはる代ぞ雛(ひな)の家」〈奥の細道〉
くさ‐の‐とざし【草の扃】
1 草が生い茂って道や入り口を閉ざすこと。「立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは—にさはりしもせじ」〈源・若紫〉 2 簡素な住まい。わび住まい。「秋の夜の—のわびしきはあくれどあかぬものにぞありける...