籤(くじ)に取(と)・る
くじを引いて決める。くじを引く。「みな紙切れに書き分けて、頭弁朝隆朝臣をして—・らせられけり」〈著聞集・四〉
くだり【件/条】
《「下(くだ)り」と同語源》 1 文章における記述の一部分。章。条。段。「冒頭の—がよく書けている」 2 前に述べた事柄。くだん。「上の—啓せさせけり」〈大和・一六八〉
口(くち)を噤(つぐ)・む
(「つぐむ」が五段活用の場合)口を閉じて開かない。話すのをやめる。「言いかけて、あわてて—・む」 (「つぐむ」が下二段活用の場合)口をとがらせてものを言う。「—・めぬ者はなかりけり」〈太平記...
くゆ・る【燻る/薫る】
[動ラ五(四)] 1 煙がゆるやかに立つ。くすぶる。「タバコの吸い殻が—・る」 2 あれこれと思い悩む。「富士のねの絶えぬ思ひもある物を—・るはつらき心なりけり」〈大和・一七一〉
くめ‐の‐いわばし【久米の岩橋】
役(えん)の行者が大和の葛城山から吉野の金峰山(きんぷせん)まで架け渡そうとしたという伝説上の橋。葛城の神が夜間しか働かなかったために完成しなかったという。多く和歌で男女の契りが成就しないことの...
くも‐の‐かけはし【雲の梯】
1 雲がたなびくさまを、かけはしに見立てた語。「天の川—いかにしてふみ見るばかり渡し続けむ」〈落窪・一〉 2 深い谷間の空中高くかけ渡した橋。「水青きふもとの入江霧晴れて山路秋なる—」〈風雅・雑...
くま‐しね【奠稲/糈米】
神仏に供えるために洗い清めた米。かしよね。おくま。「道俗男女に至るまで、—を包みなどして参りけり」〈伽・蛤の草紙〉
くち‐がた・い【口堅い】
[形][文]くちがた・し[ク] 1 秘密などを軽々しく他言しない。口が堅い。「—・い男で信用できる」 2 言うことが確かである。「あの—・い人が言うことだから任せよう」 3 言葉強く言い張るさま...
くに‐さと【国里】
1 国と里。国または里。「あたり近き—までも、いよいよいそほを貴みあへりけり」〈仮・伊曽保・上〉 2 生まれ故郷。郷里。「おことの—はいづくの人ぞ」〈謡・桜川〉
げ‐げ【解夏】
「夏解(げあき)」に同じ。《季 秋》「雲晴れて—の鶯きこえけり/碧梧桐」