み‐ざくら【実桜】
1 桜の実。さくらんぼう。《季 夏》「—や立ちよる僧もなかりけり/蕪村」 2 実をとるために栽培される桜。セイヨウミザクラなど。また、オウトウの別名。
みずくき‐の【水茎の】
[枕] 1 同音の繰り返しで「水城(みづき)」にかかる。「ますらをと思へる吾れや—水城の上に涙拭(のご)はむ」〈万・九六八〉 2 「岡(をか)」および同音の地名「岡」にかかる。「—岡の木の葉も色...
みそ‐ぎ【御衣木】
神仏の像を作るのに用いる木材。「ちはやぶる香椎(かしひ)の宮のあや杉は神の—に立てるなりけり」〈新古今・神祇〉
みずかげ‐ぐさ【水陰草】
1 水辺の物陰に生えた草。和歌では多く天の川をいう。「天の川—の秋風になびかふ見れば時は来にけり」〈万・二〇一三〉 2 稲の古名。〈日葡〉
みち‐の‐しり【道の後/道の尻】
昔、都から下る道中の地方を二つまたは三つに分けたときの、最も都から遠い地方。→道の口 →道の中「—深津島山しましくも君が目見ねば苦しかりけり」〈万・二四二三〉
みず‐いわい【水祝(い)】
婿入り・嫁入りの際に当人に水を掛けて祝う習俗。翌年の正月にもする。水掛け。水浴びせ。《季 新年》「鼻たれの男なりけり—/虚子」
みち‐の‐くに【陸奥国】
「みちのく」に同じ。「むかし、男、—にすずろに行きいたりにけり」〈伊勢・一四〉
みっ‐か【三日】
《「みか」の音変化》 1 月の第3の日。 2 特に、正月3日。三が日の終わりの日。《季 新年》「—はや雲おほき日となりにけり/万太郎」 3 日の数の三つ。3日間。また、ごくわずかな日数。
みみ‐ずく【木菟/鴟鵂/角鴟】
フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のような羽毛をもつものの総称。オオコノハズクをさすことが多い。《季 冬》「—のほうと追はれて逃げにけり/鬼城」
南(みなみ)に翔(かけ)り北(きた)に嚮(むか)えども寒温(かんうん)を秋雁(しゅうがん)に付(つ)け難(がた)し
《「和漢朗詠」下から》雁は秋には南にかけり、春には北に向かって飛ぶが、かの蘇武(そぶ)がしたように、暑さ寒さの音信をその雁に託すこともできない。余りに遠くて音信不通であることをいう。