ゆき【靫/靭】
《「ゆぎ」とも》矢を入れ、背に負った細長い箱形の道具。木製漆塗りのほか、表面を張り包む材質によって、錦靫(にしきゆき)・蒲靫(がまゆき)などがある。平安時代以降の壺胡簶(つぼやなぐい)にあたる。
ゆき‐あ・う【行(き)合う/行き逢う】
[動ワ五(ハ四)] 1 行く途中で偶然出あう。出くわす。いきあう。「駅で妹に—・った」 2 互いに出あう。交差する。重なる。「かささぎの—・はぬつまのほど寒みあかで別れし仲ぞ悲しき」〈曽丹集〉...
ゆき‐かく・る【行き隠る】
[動ラ四]行って姿が見えなくなる。いきかくる。「—・る島の崎々」〈万・九四二〉
[動ラ下二]
に同じ。「誰も皆消え残るべき身ならねど—・れぬる君ぞ悲しき」〈栄花・鳥辺野〉
ゆき‐の‐やま【雪の山】
1 「ゆきやま1」に同じ。 2 「ゆきやま2」に同じ。 3 白髪をたとえていう語。「老い果てて—をばいただけど霜と見るにぞ身は冷えにける」〈拾遺・雑下〉 4 「雪山(せっせん)」を訓読みにした語...
雪(ゆき)は豊年(ほうねん)の瑞(しるし)
雪が多く降るのは豊年の前兆であること。 [補説]万葉集・三九二五に「新(あらた)しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは」とある。
ゆく‐すえ【行く末】
1 これから先のなりゆき。前途。将来。行く先。「子供の—を心配する」 2 進んで行く道の果て。行く手。「流れ出づる涙の川の—はつひに近江の海とたのまむ」〈後撰・恋五〉 3 余命。老いさき。「—短...
ゆ‐だね【斎種】
豊穣を祈って斎(い)み清めた穀物の種。主として稲にいう。「青楊(あをやぎ)の枝きり下(おろ)し—蒔きゆゆしき君に恋ひわたるかも」〈万・三六〇三〉
ゆみとる‐かた【弓取る方】
弓を持つ方。左。左方。ゆんで。「めづらしき君を見とこそ左手の—の眉根(まよね)掻(か)きつれ」〈万・二五七五〉
夢(ゆめ)の世(よ)
夢のようにはかない世の中。「うちとけて誰もまだ寝ぬ—に人のつらさを見るぞ悲しき」〈栄花・ゆふしで〉
ゆゆし・い【由由しい/忌忌しい】
[形][文]ゆゆ・し[シク]《「ゆ」は神聖の意の「斎(ゆ)」と同語源》 1 程度がはなはだしい。また、重大である。容易ならない。「—・い事態」 2 神聖で恐れ多い。慎むべきである。「言はまくも—...