あつかい‐ぐさ【扱ひ種】
1 世話をする対象。養育すべき子供など。「一条の宮の、さる—持(も)給へらで、さうざうしきに」〈源・匂宮〉 2 話題。うわさの種。「この君達の御ことを—にし給ふ」〈源・椎本〉
あつかわ・し【暑かはし/熱かはし】
[形シク]《動詞「あつ(熱)かう」の形容詞化》 1 暑苦しい。「この生絹(すずし)だにいと所せく—・しく、取り捨てまほしかりしに」〈枕・一九八〉 2 煩わしい。うっとうしい。「いとあまり—・しき...
あて【貴】
[形動ナリ] 1 身分が高いさま。「世界の男、—なるも卑しきも」〈竹取〉 2 上品で美しいさま。「頭つき様体細やかに—なる程は」〈源・宿木〉
あと‐しき【跡式/跡職】
《鎌倉時代以後の語。「後職(あとしき)」の意から》先代の家督・財産を相続すること。また、その家督・財産。跡目。
あど
[副]《上代東国方言といわれる》 1 疑問を表す。どのように。いかに。「高麗錦(こまにしき)紐解き放(さ)けて寝(ぬ)るが上(へ)に—せろとかもあやにかなしき」〈万・三四六五〉 2 (あとに係助...
あながち【強ち】
[副](あとに打消しの語を伴う) 1 断定しきれない気持ちを表す。必ずしも。一概に。「—(に)うそとは言いきれない」 2 強い否定の意を表す。決して。「範頼、義経が申し状、—御許容あるべからず...
あ‐な‐すえ【足末】
《「あ」は「あし(足)」の古形。「な」は「の」の意の格助詞》 1 足の先。つま先。「頭より—ただにあやにしきをたちきりて」〈宇津保・忠こそ〉 2 子孫。末裔(まつえい)。「同じ帝の母后の御—にて...
あなずらわ・し【侮らはし】
[形シク]《動詞「あなずる」の形容詞化》 1 軽蔑(けいべつ)したい。尊敬・尊重する価値がない。「いとかくやつれたるに—・しきにや」〈源・明石〉 2 気軽に心を許せるさま。気のおけないさま。「右...
あふな‐あふな
[副]分相応に。身の程にふさわしく。「—思ひはすべしなぞへなく高く卑しき苦しかりけり」〈伊勢・九三〉 [補説]「おおなおおな」との異同は未詳。
あぶ・れる【溢れる】
[動ラ下一][文]あぶ・る[ラ下二]《「あふれる」と同語源。余ってはみ出る意》 1 仕事にありつけなくなる。「雨で仕事に—・れた」 2 狩猟や釣りで、獲物がない状態になる。「今日は—・れて一匹も...