山(やま)高(たか)きが故(ゆえ)に貴(たっと)からず
《「実語教」の「山高きが故に貴からず、樹あるを以(もっ)て貴しと為す」から》どんなに外観がりっぱであっても、内容が伴わなければすぐれているとはいえない。物事は見かけだけで判断するなというたとえ。
柳(やなぎ)は緑(みどり)花(はな)は紅(くれない)
《蘇軾「柳緑花紅真面目」から》 1 自然のままであること。 2 春の美しい景色を形容する言葉。 3 ものにはそれぞれ個性が備わっていることのたとえ。「—、さまざまの世のならはしこそ定めなき」〈浄...
やなぎ‐の‐かみ【柳の髪】
1 柳の枝が細く長いのを髪に見立てていう語。「春風や—をけづるらん緑のまゆも乱るばかりに」〈新千載・春上〉 2 女性の長く美しい髪を柳の枝にたとえていう語。「—を何ゆゑに、浮き世恨みて尼が崎」〈...
藪(やぶ)に馬鍬(まぐわ)
《「馬鍬」は、牛馬にひかせる耕耘(こううん)用の鍬》生い茂った藪では馬鍬を使って耕すことはできないことから、できないことを無理にしようとするたとえ。藪で馬鍬。
矢張(やは)り野(の)に置(お)け蓮華草(れんげそう)
《播磨(はりま)の俳人瓢水(ひょうすい)の句「手に取るなやはり野におけ蓮華草」から》野原で咲いているからこそレンゲソウは美しいのであって、摘んで観賞するものではない。そのものにふさわしい環境に置...
藪(やぶ)に目(め)
《藪の中にも人の目はありうる、の意から》どこでだれが見ているかわからず、秘密の漏れやすいことのたとえ。壁に耳。
や‐ぶ【野巫】
田舎の巫医(ふい)。一つの術にしか通じていない者のこと。物知らずで学行の劣っている禅の修行者にたとえてもいう。
藪(やぶ)をつついて蛇(へび)を出(だ)す
必要もないことをしたために災いを受けるたとえ。藪蛇。
門前(もんぜん)の小僧(こぞう)習(なら)わぬ経(きょう)を読(よ)む
ふだん見聞きしていると、いつのまにかそれを学び知ってしまう。環境が人に与える影響の大きいことのたとえ。
門前(もんぜん)市(いち)を成(な)す
門前に人や車馬が群がり集まる。権力や名声を慕い、出入りする者が多いたとえ。