ひと‐ごえ【人声】
人が話をする声。「どこかで—がする」
ひと‐ごこち【人心地】
1 生きた心地。また、ほっと、くつろいだ感じ。「恐ろしくて—もなかった」 2 人間としての平常の感覚や意識。ひとごころ。「少し—もせば院に参らせむと」〈宇津保・国譲下〉
人心地(ひとごこち)が付(つ)・く
緊張から解放されて、ほっとした気持ちになる。「風呂につかって、やっと—・いた」
ひと‐ごころ【人心】
1 人間の気持ち。また、人としての情愛の心。「思えば無情(つれな)の—かな」〈樗牛・滝口入道〉 2 「人心地2」に同じ。「聖は—もなくて、二日三日ばかりありて死にけり」〈宇治拾遺・一三〉
ひと‐ごと【人毎】
どの人もみな。各人。めいめい。「—に好みが違う」
ひと‐ごと【人言/他人言】
1 他人のいう言葉。「—の頼みがたさはなにはなる蘆の裏葉のうらみつべしな」〈後撰・恋五〉 2 人のうわさ。世間の評判。「この世には—繁し来む世にも逢はむ我が背子(せこ)今ならずとも」〈万・五四一〉
ひと‐ごと【人事/他人事】
自分には関係のないこと。他人に関すること。よそごと。「境遇が似ていて、とても—とは思えない」 [補説]本来「他人事」と書いて「たにんごと」とは読まなかった。
人事(ひとごと)言(い)わば筵(むしろ)敷(し)け
うわさをすればその当人が現れるものであるから、その席を用意しておくくらいの気持ちでうわさをするがよいということ。
人事(ひとごと)でな・い
他人事だとのんきに思ってはいられない。やがて自分の上にもふりかかってくるかもしれない。「—・い老年問題」
ひと‐ごのかみ【首長/魁帥】
上代、一群の人の長。首領。「自ら—となりて、穴を掘り堡(おき)を造りて常に住めり」〈常陸風土記〉