へ‐つ‐い【竈】
《「竈(へ)つ霊(ひ)」または「竈(へ)つ火(ひ)」の意》 1 かまどを守る神。「内膳、御—渡し奉りなどしたる」〈能因本枕・九二〉 2 かまど。へっつい。〈日葡〉
へ‐つ‐かい【辺つ櫂】
《「つ」は「の」の意の格助詞》岸辺をこぐ櫂。「—いたくなはねそ」〈万・一五三〉
へ‐つ‐かぜ【辺つ風】
《「つ」は「の」の意の格助詞》海岸を吹く風。「われ沖つ風—を起(た)てしめ」〈神代紀・下〉
へ‐つ‐なみ【辺つ波】
《「つ」は「の」の意の格助詞》岸べに打ち寄せる波。「沖つ波来寄る白玉—の寄する白玉求むとそ君が来まさぬ」〈万・三三一八〉
へ‐つ‐へ【辺つ方】
《「へつべ」とも》岸に近い方。「—にはあぢむら騒き」〈万・二六〇〉
へ‐つ‐も【辺つ藻】
岸辺の近くに生えている藻。海辺の藻。へつもは。「沖つ波—巻き持ち寄せ来とも君にまされる玉寄せめやも」〈万・一二〇六〉
へつも‐は【辺つ藻葉/辺つ藻菜】
「辺(へ)つ藻」に同じ。「青海(あをみ)の原に住む物は…奥つ藻菜、—に至るまでに」〈祝詞・祈年祭〉
へつらい【諂い/諛い】
へつらうこと。おべっか。追従(ついしょう)。
へつら・う【諂う/諛う】
[動ワ五(ハ四)]人の気に入るように振る舞う。また、お世辞を言う。おもねる。追従(ついしょう)する。「上司に—・う」
へつり‐がね【剝り金】
《「へづりがね」とも》少しずつかすめ取った金銭。「わづか二百目三百目の—」〈浄・冥途の飛脚〉