むらさき‐におい【紫匂】
1 上から下へ紫色をしだいに薄くした染め色。 2 襲(かさね)の色目の名。上を濃い紫にして、下をしだいに薄くしたもの。 3 鎧(よろい)の威(おどし)の一。紫色の糸で上部から下部へしだいに薄くな...
むらさきの【紫野】
京都市北区の南部の地名。大徳寺・今宮神社がある。
むらさき‐の【紫の】
[枕] 1 ムラサキの根で染めた色の美しいところから、「にほふ」にかかる。「—にほへる妹を憎くあらば」〈万・二一〉 2 紫色が名高い色であったところから、地名「名高(なたか)」にかかる。「—名高...
紫(むらさき)の朱(あけ)を奪(うば)う
《「論語」陽貨から》古代正色とされていた朱にかわり、孔子のころには間色である紫が好まれるようになったところから、まがいものが本物にとってかわり、その地位を奪うことのたとえ。また、似て非なるものの...
むらさき‐の‐うえ【紫の上】
源氏物語の女主人公の一人。式部卿宮の娘。藤壺の姪(めい)。光源氏に理想の女性として育てられ、葵(あおい)の上の没後、正妻となる。源氏在世中に病死。
むらさき‐の‐うすよう【紫の薄様】
1 紫色に染めた薄い紙。 2 襲(かさね)の色目の名。上から下へ紫色をしだいに薄くしたもの。女房の五衣(いつつぎぬ)では下の二領を白とする。
むらさき‐の‐くも【紫の雲】
1 紫色の雲。めでたいしるしとされる雲。しうん。「君がため折れるかざしは—におとらぬ花のけしきか」〈源・宿木〉 2 皇后の異称。「—のよそなる身なれども」〈後拾遺・賀〉
むらさき‐の‐くもじ【紫の雲路】
《極楽には紫の雲がたなびいているというところから》極楽の空。「—にさそふ琴の音に憂き世をはらふ嶺の松風」〈新古今・釈教〉
むらさきのさばく【紫の砂漠】
松村栄子のファンタジー小説。平成5年(1993)刊。
むらさきのスカートのおんな【むらさきのスカートの女】
今村夏子の小説。平成31年(2019)発表。語り手の女性が、近所に住む「むらさきのスカートの女」に執着するさまを描く。第161回芥川賞受賞。