闇(やみ)に惑(まど)・う
闇夜のために道に迷う。転じて、心が乱れて、適切な判断ができなくなる。「恋の—・う」
やみ‐ね【闇値】
闇取引の値段。「—で買う」
やみ‐の‐うつつ【闇の現】
暗やみの中での現実。暗やみの中で、実際にあっても判然としないこと。「かたちの、面影につと添ひておぼさるるにも、—には猶劣りけり」〈源・桐壺〉 [補説]書名別項。→闇のうつつ
やみのうつつ【闇のうつつ】
後藤宙外の小説。明治30年(1897)「新小説」誌に発表。
やみのおく【闇の奥】
《原題Heart of Darkness》コンラッドの中編小説。1899年発表。欧州文明による植民地支配を主題とする。
やみ‐の‐おんな【闇の女】
夜、街頭で客引きをする女。売春婦。夜の女。
やみのしゅくさい【闇の祝祭】
辺見じゅんの歌集。昭和62年(1987)刊。
やみのそうれつ【闇の葬列】
高橋義夫の時代小説。昭和62年(1987)刊。副題「広沢参議暗殺犯人捜査始末」。明治維新時代を背景とする歴史推理もの。
やみのなかのくろいうま【闇のなかの黒い馬】
埴谷雄高(はにやゆたか)の短編連作小説。副題は「夢についての九つの短篇」。作者が主題とする「存在」を、夢の中から幻想的に表現する。昭和45年(1970)発表。同年、第6回谷崎潤一郎賞受賞。
やみのなかのしゅくさい【闇のなかの祝祭】
吉行淳之介の短編小説。昭和36年(1961)、「群像」誌に掲載。妻と愛人の女優との間で揺れる男の姿を描く。