お‐のし【御主】
[代]《「おぬし」の音変化》二人称の人代名詞。男女ともに用いたが、近世、特に町人の女性や遊女が使った。おまえ。そなた。「これ番頭、—が呑(の)むものはなんだ」〈滑・浮世風呂・前〉
おの‐ら【己等】
[代] 1 一人称の人代名詞。われら。自分たち。「—がいとけなきを見捨てて」〈宇津保・俊蔭〉 2 二人称の人代名詞。相手を卑しめののしっていう語。おまえら。きさまら。「—が口からいひにくくば」〈...
おの‐れ【己】
《「れ」は「われ」「たれ」などの「れ」と同じもの》 [代] 1 反射代名詞。その人、またはそのもの自身。自分。自分自身。「—を省みる」 2 二人称の人代名詞。目下に対して、または相手をののしっ...
おのれ‐ら【己等】
[代] 1 二人称の人代名詞。おまえら。きさまら。「—は役立たずばかりだ」 2 一人称の人代名詞。私ども。「—よりは、なかなか御存知などもこそ候はめ」〈徒然・六七〉
お‐まえ【御前】
[名]《「おおまえ(大前)」の音変化で、神仏・貴人の前を敬っていう。転じて、間接的に人物を表し、貴人の敬称となる》 1 神仏・貴人のおん前。おそば近く。みまえ。ごぜん。「主君の—へ進み出る」 ...
おまえ‐がた【御前方】
[代]二人称の人代名詞。複数をさす。近世、男女ともに目上の人に用いた敬称。のちには、対等・目下の者にも使うようになった。「この席に並んでござる—」〈道二翁道話〉
おまえ‐さま【御前様】
[代]二人称の人代名詞。近世、男女ともに目上の人に用いた敬称。きわめて高い敬意を表す。あなたさま。「—はどれさまにおあひなされます」〈浮・一代女・二〉
おまえ‐さん【御前さん】
[代]二人称の人代名詞。 1 庶民層で、親しい間柄の人を呼ぶ語。また、特に妻が夫を呼ぶときの語。 2 「お前様」のややくだけた言い方。近世、かなり高い敬意を表す語として用いられた。「—、是をお浴...
おまえ‐たち【御前達】
[代]二人称の人代名詞。複数の同輩以下の相手をさしていう語。 [名]宮仕えの女房たち。「—も必ずさ思すゆゑ侍らむかし」〈更級〉
おま‐はん
[代]《「おまえさん」の音変化》二人称の人代名詞。近世、大坂の遊里で芸妓などが客に対して使ったのがはじめ。「—もいらざる世話やき爺(ぢぢい)だね」〈滑・浮世風呂・三〉