おもい‐あえ◦ず【思ひ敢へず】
[連語] 1 思い切れない。「たまの緒の短き心—◦ず」〈古今・雑体〉 2 考えつかない。思い及ばない。「思ひなるやうもありしかど、ただ今、かく—◦ず」〈源・総角〉
おもい‐か・く【思ひ掛く/思ひ懸く】
[動カ下二] 1 予測する。「浅茅原はかなく置きし草の上の露をかたみと—・けきや」〈新古今・哀傷〉 2 恋い慕う。恋しく思う。「男、—・けたる女の、え得(う)まじうなりての世に」〈伊勢・五五〉
おもい‐き・ゆ【思ひ消ゆ】
[動ヤ下二]気持ちが沈んでしょんぼりする。「白雪の降りて積もれる山里は住む人さへや—・ゆらむ」〈古今・冬〉
おもい‐そ・む【思ひ初む】
[動マ下二] 1 思いはじめる。心にかけはじめる。「何となくあだなる花の色をしも心に深く—・むらむ」〈西行家集〉 2 恋しはじめる。「あすか川淵は瀬になる世なりとも—・めてむ人は忘れじ」〈古今・恋四〉
おもい‐ね【思ひ寝】
ものを思いながら、特に、恋しい人を思いながら眠ること。「君をのみ—にねし夢なればわが心から見つるなりけり」〈古今・恋二〉
おもい‐ま・す【思ひ増す】
[動サ四] 1 ますます恋い焦がれる。「彦星の—・すらむことよりもみる我くるし夜のふけゆけば」〈拾遺・秋〉 2 他よりよいと思う。「待てといふに散らでしとまるものならば何を桜に—・さまし」〈古今...
おもい‐みだ・れる【思い乱れる】
[動ラ下一][文]おもひみだ・る[ラ下二] 1 あれこれと思い悩む。「心が千々に—・れる」 2 恋しさに心が乱れる。「かりごもの—・れて我恋ふと妹知るらめや人し告げずは」〈古今・恋一〉
おも・る【重る】
[動ラ五(四)] 1 病気が重くなる。「この山の上で夫の病気が—・りでもしたら」〈藤村・破戒〉 2 目方が重くなる。「そま山の梢(こずゑ)に—・る雪折れに」〈新古今・雑上〉
おり‐か・く【折り掛く/折り懸く】
[動カ下二] 1 折って物に掛ける。「賤(しづ)の男(を)が篠(しの)—・けて干す衣」〈梁塵秘抄・二〉 2 折ったままにしておく。「鎧(よろひ)に矢の立つこと数を知らず、—・け—・けしたりければ...
おり‐か・く【織り掛く/織り懸く】
[動カ下二]布などに織って掛け渡す。「竜田川錦—・く神無月時雨の雨をたてぬきにして」〈古今・冬〉