衣(ころも)片敷(かたし)・く
着物の片袖を敷いて寝る。独り寝をする。「さむしろに—・き今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」〈古今・恋四〉
ころも‐の‐やみ【衣の闇】
黒い喪服。墨染めの服。「干しもあへぬ—に暗されて月ともいはずまどひぬるかな」〈新古今・哀傷〉
衣(ころも)を返(かえ)・す
衣を裏返しに着る。こうして寝ると思う人を夢に見ることができるという俗信があった。「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の—・してぞ着る」〈古今・恋二〉
こん【今】
[音]コン(呉) キン(漢) [訓]いま [学習漢字]2年 〈コン〉 1 いま。現在。「今後・今昔(こんじゃく)/現今・古今・昨今・当今・方今」 2 このたび。この。「今回・今月・今次・今春・...
こんぽん‐か【混本歌】
和歌の形式の一。古今集真名序(まなじょ)、喜撰式などに「混本」とみえるが実体は不明。五・七・五・七・七の6句形式の旋頭歌(せどうか)、またはそれに類する歌とする説、五・七・五・七の4句形式の歌と...
ごぎんわがしゅう【吾吟我集】
江戸前期の狂歌集。10巻。石田未得(いしだみとく)著。慶安2年(1649)成立。古今和歌集をもじり、部立てもそれに倣う。
ごしょ‐ふう【御所風】
1 御所の風習。御所のやりかた。優美で上品なようすにいう。「古今まれなる女、つとめ姿さって、御上家(おかみけ)なる、—あり」〈浮・諸艶大鑑・一〉 2 御所に仕える女官たちの結った髪形。下げ髪を巻...
ごせんいきょくしゅう【後撰夷曲集】
江戸前期の狂歌集。10巻4冊。生白堂行風(せいはくどうぎょうふう)編。寛文12年(1672)刊。古今(ここん)夷曲集のあとを継いだもの。
ごと【如】
《比況の助動詞「ごとし」の語幹》 1 …のように。「ごとし」の連用形にあたる。「渡る日の暮れぬるが—照る月の雲隠る—沖つ藻のなびきし妹(いも)は」〈万・二〇七〉 2 …のようだ。「ごとし」の終止...
さえさえ‐て【冴え冴えて/冱え冱えて】
[連語]《動詞「冴える」の連用形を重ねたものに、接続助詞「て」が付いたもの》非常にさえて。非常に冷えて。「さむしろの夜はの衣で—初雪しろし岡の辺の松」〈新古今・六六二〉