なぐさ‐の‐はま【名草の浜】
和歌山市南部、紀三井(きみい)寺付近の浜。[歌枕]「海人(あま)の刈るみるめを波にまがへつつ—を尋ねわびぬる」〈新古今・恋一〉
なげ・く【嘆く/歎く】
[動カ五(四)] 1 ひどく悲しむ。悲しんで泣く。悲嘆にくれる。「身の薄幸を—・く」「友の死を—・く」 2 世の風潮などを憂えて憤る。慨嘆する。「現今の世相を—・く」「倫理観の喪失を—・く」 3...
なごり‐な・い【名残無い】
[形][文]なごりな・し[ク]残るところがない。あとかたない。物事の影響や余韻がない。「打続いての快晴で空は—・く晴渡ッてはいたが」〈二葉亭・浮雲〉 「柴の戸をさすや日影の—・く春暮れかかる山の...
なずさわ・る
[動ラ四]なれ親しむ。なじむ。「終夜(よもすがら)—・りつる妹が袖なごり恋しく思ほゆるかな」〈古今六帖・五〉
なずらえ‐うた【準え歌】
古今集仮名序の和歌の六義(りくぎ)の一。物事になぞらえて詠んだ歌。漢詩の六義の「比」にあたる。なぞらえうた。
なだ‐の‐しおや【灘の塩屋】
摂津国灘のあたりで塩をつくる家。「いまさらに住みうしとてもいかならむ—の夕暮の空」〈新古今・雑中〉
なつのきょく【夏の曲】
箏曲(そうきょく)。嘉永・安政(1848〜1860)ごろ、2世吉沢検校が作曲した古今組の一。古今集の夏の部から4首を選んで歌詞としたもの。明治中期に松坂春栄が手事(てごと)を作曲、挿入した。
なつ‐びき【夏引き】
《「なつひき」とも》夏に糸をつむぐこと。また、その糸。夏蚕(なつご)の糸、または夏に取った麻の糸をつむぐ意ともいう。「—の手引きの糸の年経ても絶えぬ思ひにむすぼほれつつ」〈新古今・恋二〉
なづけ‐そ・む【名付け初む】
[動マ下二]はじめて名付ける。言いはじめる。「煙立ち燃ゆとも見えぬ草の葉をたれかわらびと—・めけむ」〈古今・物名〉
なとり‐がわ【名取川】
宮城県中南部を東流する川。奥羽山脈の二口峠付近に源を発し、仙台市と名取市の境で仙台湾に注ぐ。流域に秋保(あきう)温泉がある。[歌枕]「陸奥(みちのく)にありといふなる—なき名とりては苦しかりけ...