かえり‐あるじ【還り饗】
1 平安時代、賭弓(のりゆみ)・相撲(すまい)の節会(せちえ)などのあとで、勝ったほうの近衛大将が自分の邸に戻って、味方の人々をもてなすこと。還り立ち。還り立ちの饗(あるじ)。 2 「還(かえ)...
かき‐ひたし【柿浸し】
柿を切り刻んで酒に浸したもの。一説に、干し柿をすり下ろして水や酒に浸しておいたもの。「—の汁をものの葉につけて参らすれど」〈栄花・後悔の大将〉
か‐けん【家眷】
同じ家の人々。同族の人および付き従う者。一家眷属。「大将並びにその—諸軍官の前に於て」〈中村訳・西国立志編〉
かげ‐むしゃ【影武者/陰武者】
1 敵の目を欺くために、大将などと同じ服装をさせた身代わりの武者。 2 陰にあって、表面にいる人の働きを助ける人。または、表面の人を操る人。黒幕。 [補説]作品名別項。→影武者
かげろう【蜉蝣/蜻蛉】
1 《飛ぶ姿が陽炎(かげろう)の立ちのぼるさまに似ているところからの名》カゲロウ目の昆虫の総称。体は繊細で、腹端に長い尾が2、3本ある。翅(はね)は透明で、幅の広い三角形。夏、水辺の近くの空...
かげろうにっき【蜻蛉日記】
右大将藤原道綱の母の日記。3巻。天延2年(974)以後の成立。夫の兼家(かねいえ)との不安定な結婚生活に苦悩しながら、子の道綱への愛や芸術の世界に目覚めていく心の遍歴を描く。かげろうのにき。
かしわ‐ぎ【柏木】
1 カシワの木。 2 《カシワの木に葉守の神が宿るという伝承から》皇居警備の任に当たる兵衛(ひょうえ)または衛門(えもん)の異称。「—の木高きわたりより」〈かげろふ・上〉 源氏物語第36巻...
かた‐ざま【方様】
《「かたさま」とも》 1 方向。方角。「北の陣の—に歩み行くに」〈能因本枕・二四四〉 2 方面。向き。その筋。「今は、かかる—の御調度どもをこそは、とおぼせば」〈源・賢木〉 3 味方。身内。仲間...
かた‐ひと【方人】
歌合わせや競争などで、二組に分けられた一方の人。かたうど。「一二の相撲(すまひ)、—にとられ給へる御子達、上達、大将、中少将かへし給ふ」〈宇津保・内侍督〉
かみなり‐の‐じん【雷鳴の陣】
平安時代、雷鳴のときに宮中に臨時に設けられた警固の陣。近衛大将・次将が清涼殿の孫庇(まごびさし)に伺候(しこう)し、弦打(つるう)ちして天皇を守護し、将監(しょうげん)以下も諸所を警固した。かん...