そぎ‐あま【削ぎ尼】
髪を短くそいで肩のあたりに切りそろえた尼。「墨染めの袈裟に変はりし—姿」〈浄・伊賀越〉
そんしょう‐だらに【尊勝陀羅尼】
尊勝仏頂の悟りや功徳(くどく)を説いた陀羅尼。読誦(どくじゅ)すると罪障消滅や除災・延寿の功徳があるとされる。仏頂尊勝陀羅尼。
たれ‐あま【垂れ尼】
髪を短く切って垂らしている尼。また、その髪形。そぎあま。さげあま。「頭髻(たぶさ)を剪(き)りて、形貌(かたち)は—」〈読・八犬伝・四〉
だらに【陀羅尼】
《(梵)dhāraṇīの音写。総持・能持と訳す》梵文(ぼんぶん)を翻訳しないままで唱えるもので、不思議な力をもつものと信じられる比較的長文の呪文。陀羅尼呪。呪。→真言(しんごん)
だらり【陀羅尼】
《「だらに」の音変化》陀羅尼鐘(だらにがね)のこと。特に、京都建仁寺東鐘楼の百八陀羅尼鐘をいう。「どんどんぐりのづしを出づれば建仁寺、—が鳴るぞ、だらつくまいぞ」〈浄・女腹切〉
とがおい‐びくに【科負い比丘尼】
昔、良家の妻女の身近にいて、その過失のとがを身代わりに負った比丘尼。屁負(へお)い比丘尼。
なきあま【泣尼】
狂言。説法を頼まれた僧が、泣尼と異名をとる老尼を法事に雇い泣かせようとするが、法談の最中に居眠りをしてしまい、あげくに布施の取り分で僧と争う。
に【尼】
[名]《「比丘尼」の略》出家して戒を受けた女性。あま。 [接尾]出家した女性の名の下に添えて用いる。「蓮月—」
に【尼】
[常用漢字] [音]ニ(呉) ジ(ヂ)(漢) [訓]あま 〈ニ〉 1 あま。「尼僧/禅尼・僧尼・老尼」 2 外国語の音訳字。「尼港/摩尼・牟尼(むに)」 [補説]1も梵語の音訳字で「比丘尼(び...
ににんびくに【二人比丘尼】
仮名草子。2冊。鈴木正三(しょうさん)作。寛永9年(1632)ごろの刊か。戦乱で夫に死別した二人の尼により、仏の道を説く。