うつほものがたり【宇津保物語】
《「うつぼものがたり」とも》平安中期の物語。20巻。作者未詳。源順(みなもとのしたごう)とする説もある。村上天皇のころから円融天皇のころに成立か。4代にわたる琴(きん)の名人一家の繁栄と、多くの...
う‐づち【卯槌】
平安時代、正月初の卯の日に中務(なかつかさ)省の糸所(いとどころ)から邪気払いとして朝廷に奉った槌。桃の木を長さ3寸(約9センチ)、幅1寸四方の直方体に切ったもので、縦に穴をあけ、5色の飾り糸を...
うひょうえ‐の‐じん【右兵衛の陣】
平安京内裏の陰明(おんめい)門の外にあった右兵衛の武官の詰め所。また、陰明門のこと。
うぶ‐やしない【産養ひ】
1 出産後3日・5日・7日・9日目の夜に、親類が産婦や赤子の衣服、飲食物などを贈って祝宴を開くこと。また、その贈り物。平安時代、貴族の家で盛んに行われた。現在の「お七夜の祝い」はこの名残。「七日...
うべ【宜/諾】
[副]《平安時代以降は「むべ」と表記されることが多い》肯定する気持ちを表す。なるほど。いかにも。むべ。「山河のさやけき見れば—知らすらし」〈万・一〇三七〉
うべ‐な・う【諾なう/宜なう】
[動ワ五(ハ四)]《副詞「うべ」+接尾語「なう」から。平安時代以降は「むべなう」とも表記》 1 願いや要求を引き受ける。同意する。うけがう。「その甥の申し出を女に伝えることを—・わないわけにはい...
うほう‐の‐がく【右方の楽】
雅楽で、平安初期の楽制改革以降、右方の楽人が担当した楽。朝鮮系の三韓楽を主に、中国東北地方の渤海楽(ぼっかいがく)を含む。高麗楽(こまがく)。右楽。右方。
うま【馬】
《「馬」の字音「マ」から変化したものという。平安時代以降「むま」と表記されることが多い》 1 奇蹄(きてい)目ウマ科の哺乳類。体は一般に大形で、顔が長く、たてがみがあり、長い毛の尾がある。力強く...
うめ【梅】
《「梅」の字音「メ」から変化したものという。平安時代以降「むめ」と表記されることが多い》 1 バラ科の落葉高木。葉は卵形で縁に細かいぎざぎざがある。早春、葉より先に、白・淡紅・紅色などの香りの強...
うも・れる【埋もれる】
[動ラ下一][文]うも・る[ラ下二]《平安時代以降「むもる」と表記されることが多い》 1 砂や土などに覆われて見えなくなる。埋没する。うずもれる。「雪に—・れた家」 2 才能・真価・業績などが、...